逃げるように応接室を出ると、無我夢中で走った。 『優季!!!』 背後で勇輝の私を呼び止める声が聞こえてきたけれど、私には振り返る余裕なんてカケラも残っていなかった。 とにかくこの場から離れたくて、一度も振り返ることなくビルを出た。 ここは、私が来てはならないところ。 もう二度と足を踏み入れまい… そう心に強く誓った。 雨の中、どこをどう走ってきたのかは全く覚えていないけれど、 たどり着いたのは、かつて真人と互いの気持ちを確認しあった病院近くの小さな公園だった。