『お母さん…いえ、宮園社長、最後にひとつだけ私の話を聞いてください。』 優季の言葉に社長は無表情のまま、姿勢を崩さなかった。 『私、今、看護師をしています。助産師の資格も取りました。 あなたが送ってくださったお金で、学費も生活費の心配もすることなく、勉強に励むことができました。 今こうして仕事をすることができるのは、あなたのおかげです。本当にありがとうございました。』 優季はバッグから数冊の預金通帳と印鑑を取り出し、ローテーブルの上に置いた。