『おい、待てよ!』
駆け足で追いかける勇輝を見ていると、
今の私達の関係は、鬼ごっこみたいだ…なんて思ってしまった。
「おやすみなさい…」
部屋の前で勇輝と別れる時、誕生日の夜を思い出す。
いきなり部屋に入って来て、抱きしめられた夜のことを…
ドアを開け入ろうとすると、
『俺もお邪魔しまーす!』
勇輝がドアをすり抜け、部屋の中に入って来た。
「ちょっと、何でアンタが入ってくるのさ?」
勇輝は真剣な眼差しで私を見つめると、
『ごめん、ちょっとだけ充電させて…』
そう言うと、私を包み込むように抱きしめた。

