でも、さすがの私も聞くことはできない。 勇輝は男だし、変なところでプライドが高い。 だから、私に相談なんてしないだろう。 私だって、6歳で母親と別れ、 18歳で父親と死別した。 それでもひとりで何とかやってこられたんだから… 勇輝だって大丈夫。 きっと、自分で道を切り拓いていけるはず。 『なーに俺のこと見惚れてんの?もしかして、惚れちゃった?』 勇輝は運転しながら、ルームミラー越しにニヤニヤしながら私を見ていた。 いけないいけない!!! すっかり物思いに耽ってしまった…。