美味いに決まってるだろ?


優季が俺のためだけに作ったケーキなんだから。


お前の愛がぎっしり詰まっているんだもんな…


と、勝手に俺ひとりで思っているだけのことなのだが…。


「昨日、テレビに出てた宮園社長もパーティーに来てくれて、お前のケーキ美味いって言ってたぞ!」


『えっ…あの社長さんが?
そう…
食べてくれたんだ…』


一瞬驚きを見せた優季だったけれど、嬉しいような悲しいような、何とも言えない表情に変わった。


でも、これが何を意味しているのか、この時の俺にはわからなかった。