「お役に立てなくて本当に申し訳ございません。
でも、私のことを認めてくださって本当にありがとうございました。
では、失礼いたします。」
そう言って、教授室のドアノブに手をかけると、
『あぁ、ちょっと待ってくれ…
先週、キミのお父さんに会ったよ。』
えっ…
教授の一言で、一瞬にして、全身の血が凍りついた。
『文部科学省のパーティーでご一緒して、息子をよろしく頼むと言われたんだ。
キミの身上書には家族の記載がなかったけれど、別に身分を隠すことなんてないんじゃないのか?』
確かに親父は、教育関係者とも深い繋がりがある。
よくわからないが、親父が動き出したことは間違いないようだ。
何か見えない力が俺の運命を無理矢理変えようとしている…そんな気がした。
嵐の前の静けさ…
できることなら、俺を巻き込まないでくれ…

