『でも…』 毎度のことながら、清水さんはなかなか引き下がらない。 「清水さん、この話、本当は、あなたの一存なんじゃないんですか?」 図星なのか、清水さんの顔色が変わった。 「私がこのようなことを申し上げるのは大変失礼なことだというのは重々承知です。 お兄様の和輝様は、優秀ではありますが、優しすぎる性格ゆえ、お父様の後継者には不向きと判断しました。」 温厚な清水さんの表情がだんだん厳しくなっていった。