『安心しろ、優季。
響は無類の女好きだ。
間違っても男に走ることはない。
そうだろ?響。』
勇輝の言葉に、桜庭さんはムッとした顔で、吐き捨てるように言った。
『女をモノ扱いするような奴に言われたくないね!』
うわーっ、部屋の中が一瞬にして凍りついちゃったよ…。
勇輝と桜庭さんは睨み合ったまま、どちらも視線を外そうとはしない。
もう、どうなってるのよ、このふたりは!!!
「勇輝!
桜庭さんは病人なんだから、感情を逆撫でるようなことを言うの止めなさい!
和磨くん、どこで点滴したらいい?」
私は看護師モードに再びスイッチを切り替え、険悪な空気を蹴散らした。

