『確かにあなたのことは透に頼まれたし、十分にNo.1の資質があったから、あなたに色々なことを教えたわ。
でも、本当はそれだけじゃなかった…』
それだけじゃ…
ないって…?
どういうこと………?
社長は俺をまっすぐ見ると、
『あなたの名前が、私の娘と同じ…「ゆうき」だったからよ…』
言い終わると同時にタクシーのドアが閉まり、走り出した。
宮園社長の娘が、俺と同じゆうき…
その娘は、ずっと前に離婚して生き別れたまま。
確か優季も両親が離婚して、母親とは20年以上会ってないと言っていた。
ドックン…!
心臓が大きな音を立てて動いた。

