『あら、もうこんな時間…行かなくちゃ!
ケーキごちそう様。ケーキを作った彼女に美味しかったって伝えてね。』
社長を見送りに店の外に出る。
「社長、私のことを息子だと思ってください。寂しくなったらいつでもお付き合いさせていただきますよ。」
俺の言葉に社長はクスッと笑うと、
『ありがとう、勇輝。息子もいいけど、彼氏の方がいいかしらね?』
なんておどけて返された。
待たせていたタクシーに社長は乗り込むと、
『ねぇ、勇輝、私が何故あなたにホストとしてのノウハウを教えたのかわかる?』
確か、オーナーに弟分だった俺のことを頼まれたからだったような気がする。

