『…ッ、優季…!?』
勇輝は一瞬驚いたみたいだったけれど、聞こえないフリをして、勇輝の手を握りしめた。
勇輝には私がいるから大丈夫、
大丈夫なんだよ。
そう勇輝に語りかけるように。
でも、
私からしたことなのに、
ドキドキドキドキ…
ピアノの音よりも、心臓の音の方がどんどん大きくなって、握っている手が汗ばんできた。
何だかものすごく恥ずかしくなってきて、手を離そうとすると、
ギュッ!
今度は勇輝が私の手を強く握った。
それはまるで、『離さない!』とでも言わんばかりに、勇輝は細くて長い綺麗な指を絡めてくる。
男の人にしては繊細で華奢な印象が強かった勇輝の指。
元ピアニストだったなら納得がいく。

