「ねぇ、本当にどうしちゃったの?」
俯いたままだった勇輝は、フーッと大きく息を吐くと、
『俺、真人さんに嫉妬した。亡くなってもなお、優季の中に居続ける真人さんに。
それに、俺には、親に感謝の心なんて持てない…あるのは憎しみだけ。』
そう言うと、唇を噛みしめた。
勇輝には、いったいどんな過去があるのだろう。
今までどんな人生を送ってきたのだろう。
理由はどうあれ、我が子に“勘当”という鉄槌を打ち下ろす親とは、どのような親なのだろう。
勇輝と出会って1年以上経っているというのに、私は勇輝のことを何ひとつ知らない。
ううん、知ろうともしなかった。

