『はい……わかってます。
今すぐ戻りますからっ!』
乱暴に切ると、
『全く、せっかちなんだから…』なんてブツブツ言いながら、花束を大事そうに抱え直した。
『優季、ありがとう。
母親らしいことなんて何ひとつしてあげられなかったのに…私を母親に選んで生まれてきてくれて、本当にありがとう。
じゃ、勇輝、頑張れ!!!』
ピースサインをして、最高の笑顔を見せたお母さんは、慌ただしく会社に戻って行った。
お父さん、
私とお母さん、
これからは、母娘としてだけでなく、大人の女性としての関係も築いていけそうな気がします。

