『うぅっ…
野島ぁ、アンタって本当にいい奴だね。』
洋子主任が大粒の涙を流して、まさに大号泣寸前。
『よ、洋子、泣くな!
そうだ、ケーキ配るんだろ?俺も一緒に行くから早く行こう。』
透オーナーが洋子主任を宥めながら、手際良くケーキをカットすると、
『後は頼んだぞ、勇輝。』
そう言うと、透オーナーは洋子主任を伴い、病室を後にした。
『もう、洋子さんたら…
おかげで涙が引っ込んじゃったじゃない。
あなたの婚約者だった真人さん…素敵な人だったのね、会ってみたかったわ。
この花束、本当にいただいてもいいの?』
お母さんに聞かれ、私は笑顔で頷いた。

