『でもね…』
それでも受け取ろうとしないお母さんに、
「婚約者だった真人が元気だった頃に教えてくれました。
誕生日というのは、本来は、自分のことをこの世に送り出してくれたお父さん、お母さんに感謝する日で、
『産んでくれてありがとう。』と感謝の気持ちを伝える日なんだと…私もその通りだと思いました。
お母さん、忙しい中、素敵なケーキを作ってくれてありがとう。
そして、私を産んでくれて…本当にありがとうございました。亡くなったお父さんの分も感謝の気持ち…受け取ってください。」
私はそう言うと、お母さんにもう一度花束を差し出した。

