「この花は、私にはまだ早いかも…だからお母さんにもらって欲しいの。」
お母さんに花束を渡そうとすると、お母さんは首を振って、
『あなたのプレゼントを受け取るわけにはいかないわ。透達の気持ちを考えなさい。』
そう言って、受け取ろうとはしなかった。
『ほら、言った通りでしょ?
野島は絶対社長に花束を贈るって。』
洋子主任が意味ありげな笑みを浮かべながら、透オーナーに視線を送ると、
透オーナーは、フッと笑みを漏らすと、
『今日、一番頑張ったのは社長なんですから、受け取っても罰は当たらないと思いますよ。
俺達もその方がいいと思っていますから。な?洋子。』
透オーナーの言葉に、洋子主任は、『そうね。』と、笑顔で頷いた。

