『みんな、久しぶりに作ったから、失敗しちゃって…お味の保障はできませんよ。』
心臓の音がここまで聞こえてきそうなくらいにお母さんはいつになく緊張しているように見えた。
『俺、社長のアシスタントをさせていただきましたが、20年ぶりとは思えないくらい手際が良くて、このケーキのどこが失敗作なのか、俺には全く見当がつかないですよ。
もう、完璧じゃないですか?』
勇輝はケーキが乗ったお皿を手に取り、首を傾げた。
透オーナーもその通りと言わんばかりに、大きく頷いた。
見た目は子供の頃と全く同じ。
『もうっ、自信がないんだから、さっさと食べて、お腹に納めちゃってちょうだい!!!』
お母さんがあまりにも痛々しくて、
「いただきます。」
フォークでケーキを一口大に切り、口にする。

