勇輝の言葉に、お母さんは、口をとがらせながら、
『だって、気になっちゃって…
何とか生クリームでごまかしたけど、20年ぶりに作って…しかも、こんなに大きなケーキは初めてだったから、失敗だらけで恥ずかしいじゃない?
でも、ここまで来たけれど、何だか入るに入れなくて…』
なんて、反撃にもならない弁解をしている。
今、私の目の前にいるのは、テレビや雑誌で見る自信に満ち溢れた社長ではなくて、子供の頃と同じ、優しくて、ちょっぴりお茶目な私だけのお母さんだった。
『失敗作だろうと何だろうと、あなたが心をこめて作ったんですから、優季は喜んでいますよ。
そうだろ?優季。』

