カーテンの隙間から差し込む朝の光のまぶしさに、ゆっくりと目を開けると、
病室にお母さんの姿はどこにも見当たらなかった。
不覚にも、私はお母さんに抱かれたまま眠ってしまったらしい…。
いくら本調子ではないにしても、29歳にして、赤ちゃん返りみたいで何だか情けないような恥ずかしいような…
でも、長年胸の中にあったヒリヒリとした痛みがなくなり、何だか心が軽くなった感じだ。
病院や街中で親子連れを見ると湧き上がった寂しさも、もう感じることはないだろう。
『よぉ!元気そうだな?』
午後になって勇輝が大きな箱を持ってやって来た。
「ねぇ、その箱…何?」
その意味ありげな笑顔…また何か企んでいるんでしょ?

