俺は、今もなお涙に暮れる社長のところへ行き、 「社長、良かったですね。」 社長は涙を拭きながら、 『私、やっとわかったわ。何よりも大切なのはあの子だということを… 今まで、会社を追われることに怯えていたけれど、もう怖くなんかない。 また1から出直せばいいのだから… たったひとりで、小さなサロンから始めればいい。 あの子さえいれば、もう何もいらない。』 そう言う社長の顔は何かが吹っ切れたようで晴れやかだった。