社長は小さく頷くと、
『そうよ、仕事をしていても心のどこかで優季を感じていたかったから…』
社長の視線は、ICUのガラス越しに眠る優季から俺に移った。
『勇輝、あなたにも失礼なことを言ってしまって…ホストをさげすむような発言、取り消させてちょうだい。
会社のことであなたまで巻き込んでしまって、本当にごめんなさいね。』
心から詫びる社長自身も、自らの心にも思っていない発言で傷ついている…
そんな気がした。
『あの子が優季だとわかった時、本当はすぐにでも抱きしめてあげたかった。
今まで母親らしいことを何ひとつできなかったことを詫びたかった。
確かに仕事は成功したのかもしれないけれど、家族より仕事を選んだことを今でも後悔しているわ…フフッ、何だか矛盾しているわね。』
寂しげな笑みを浮かべる社長を見て思った。
優季、早く目を覚ましてくれ…
社長のためにも、
俺のためにも…

