ガラガラガラガラ… 『野島ーー!わかる?病院だよ!!!』 ストレッチャーに乗せられた優季に洋子さんが必死に訴えかける。 その後を俺も追いかけた。 優季は泣きながら俺の腕の中で意識を失った。 高熱と出血… 素人の俺でも尋常ではないということはわかる。 長時間、雨に打たれたのと、精神的なショックで、心身共に限界を通り越しているに違いない。 『勇輝、透に電話をして着替えを持って来てもらいなさい。 このままでは、アンタも倒れるよ。』 洋子さんはそう言うと、優季と共に初療室に入って行った。