そんな俺らの平和的空間の屋上もたまにあらされたりした。

ある日オレが子虎より先に屋上に上がるとフェンスをよじ登る女の子がいた。

「えええええええ・・・ちょっとちょっと」

オレはフェンスに駆け寄った。

「こないでよ、あっちいって!ほっといて」

「いやいや、ほっておけないでしょ。なにしてんの。落し物?」

オレはその子に見覚えがなかった。

でもうちの高校の制服だ。

「馬鹿なんじゃないの、こんなとこ上って落し物拾うやつなんていないわよ!」

「え・・・じゃあ・・・」

「自殺すんのよ!!死ぬの!!だから寄ってこないで!!」

しどろもどろのオレの後ろから神の声が飛んできた。

「そいつお前のパンツ見てるよ」

「ええええええ!!!」驚く俺。

「きゃあああ!!」
急いでスカートを抑えようとしてフェンスから落ちてくる彼女。

うまい具合にオレの上に降ってきた。

オレの背中にのしかかる40数キロ・・・結構辛い。

「もうなんなのよ!!じゃましないでよ!」
人の背中の上でわめく彼女。

「本気で死のうとしてるやつはパンツなんか気にしない」
子虎は冷静だった。

図星なのか、それとも子虎の美しさのせいか急に赤くなる彼女。

「あんたには関係ないでしょ!」
つっぱねるけどなぜか赤い彼女。

「すいません、オレの上からどいてください。」
なぜか遠慮がちなオレ。

「きゃっ!!まだいたの!変態!!」
すごい嫌悪感丸出しでオレを観る彼女。

「好きでいたんじゃない。意外と重くて動けなかったんだよ」
さすがに腹が立ったオレ。