百物語骨董店


「あなたは

ツクモガミ、というのを
知っていますか?」


ツクモ…

俺の名字と同じ…


「そう…

九十九、あなたの名字と同じ…


世の中にある万物、という事


ツクモガミは


万物という依り代が
経験や年月を得ることによって


神や霊魂が宿った
ものの事


この店にあるものは

すべて

ツクモガミといっても
いいでしょう」


しかし

神様と言っても


男は続けた


「荒ぶれば

…禍いを成すのです」


男の瞳が
猫のように
金色に瞬く



…にゃあ



どこかで

猫が

鳴いた