ジジィはそう答えると「それにしても」とこぼした。


「なんだ?」


ジジィがこちらをじっと見つめる。



「おぬしのなにを、アイツは好いとるのかのぉ?」


は?
なんだ、こんなときに?
アイツとは……マリアのことだろうか?



「ま、おぬしといたら分かるかのぉ……」



そう言うと、また前を見て歩き出す。


一体、おまえらはなにを言いたい!!

イライラする。
ものすごくイラつく。


ちっ。
ここにマリアがいたら……



つついて遊んでストレス発散なのに。



「悪趣味……」


隣でぽつりとマリア(女)がこぼす。



マリアを睨みつけるが、マリアはこちらを見もせず、涼しい顔のまま森の道なき道を軽やかに歩いていた。


変わり過ぎだ。
今までの大人しさは本当にどこへ行った?
それともこれがこいつの本性なのか?