周りの友人のほとんどは、朝葉と和飛を恋人同士だと思っている。

それもそのはず。

あれだけ毎日時間をともにしてきたのだ。

昼休みに和飛とお昼を楽しんだり、休み時間のたびに和飛が教室に来たり……。

端から見たら、どうやっても恋人同士にしか見れないだろう。

ということは……。

朝葉は適当なアドレスを決め、変更し、ある人物にだけ送った。

朝葉の中で和飛に好意を抱いている女子生徒は何人もいる。

だが、そのほとんどがアドレスを交換していない人物だ。

少なくともその女子生徒たちが犯人という可能性は極めて低い。

そして、朝葉はケータイの電源を落とし、鍵のかかる引き出しにそっとしまった。

今は信じたくないから。

だから明日の朝見ようと思った。

結果が出たら和飛に会おう。

その日朝葉は、もしかしたら……という不安から逃げるため、ひたすら睡眠をとった。