帰りは夜も遅いという理由で送ってもらうことになった。

朝葉の帰り道は和飛の家から距離的にはそう遠くないが、人通りが少ないのだ。

「矢野くんにしてはおいしかったよ」

夜道を歩きながら先程ごちそうになった夕食の感想を述べる。

料理なんかできないと思ってたのに、意外にできるもんだからかなり驚いた。

「あっ、おまえ下手くそだと思ってバカにしてたんだろ!?」

心の中を読み取られたのか、和飛は朝葉の感想に異常な程反応を示した。

「俺はもともと料理はできるの。次はもっとうめぇもん食わしてやっからな」

腕を首に回さされ思い切り絞め上げられる。

「ギブギブギブ!!」

必死に絞めてくる腕から逃れると、朝葉は2、3回咳をした。