愛憎友達

《受信》
急遽お父さんが早く帰宅することになりました。
急いで帰ってきてください。


体調不良でも起こしたのだろうか。

「あのさ……」

「ん?」

朝葉はケータイを閉じながら和飛に話しかけた。

「お父さん今日早く帰ってくることになったんだって。だからもう帰ろ……?」

「……そっか。仕方ねぇな」

パンフレットを閉じると和飛はちょっと待ってて、と朝葉に言ってどこかへ行ってしまった。

朝葉は道端にぽつんと取り残される。

……何これ。

放置プレイですか?

あまり時間がないというのに、一体和飛はそこへ行ってしまったのだろう。

早く帰ってきてくれないかな……。

朝葉は無意味にパタパタとケータイを開閉させた。