裏切り黒田アキラ大いにぼやく(上等なヤンキー スピンオフ)

さすがは天然王子だ。

あ…やべぇ…。

笑っちまいそうだ…。

「じゃ、俺ちょっと忙しいから」

『お、おう』

「じゃあな」

込み上げる笑いをかみ殺すのに苦労した。



パタンと携帯を閉じるとミサキがマッカンを手に、ニンマリと笑っている。

「やっぱそれなのか?」

「いいじゃん、たまにはさぁ。はい、どうぞ召し上がれー」

桜の花びらみたいな指が俺にマッカンを握らせた。

パッカン…と間抜けな音をたてて、プルタブを起こした。

「…やっぱ甘ぇ…」

久しぶりに口にしたマッカンはやっぱり甘過ぎで、笑ってしまう。