こんなところで出会ってしまうとは、

思ってもみなかった。




会社の朝礼で、

あたしは目を伏せていた。

朝礼、と言っても

ここは本社とは違い、

営業所なので、

朝礼をするほどのスペースもない。

だから、いつも仕事をしている

この事務所の中で、

ただ、立って、

本社のその時間に合わせて

朝礼をするのだ。


けれど、あたしには、

やっつけないといけない

仕事がたまっていた。

たまっているのが

分かっていながら、

昨日はどうしても行きたかった

ライブのために、

長時間の残業は出来なかったのだ。


だから、悠長に

朝礼を聞いている暇なんてない。


ということで、下を向いて、

手元でこっそり仕事をしていた。