楽園の姫君



「ん。良かった。」

そう言ってラナシュが綺麗な笑みをうかべる。
永い間していなかった、でも今日はもう何回もしている顔。


アナリアーナの存在が、
ラナシュを、

変えてゆく。





ラナシュが手を一振りするとラナシュの指先から金色の光がこぼれる。
こぼれた光はアナリアーナにまとわり、徐々にドレスを形成してゆく。


これが、ラナシュの魔法。
全てを創りだす幻想的な光。


この光はラナシュの心境によって色を変える。

楽しい時は黄色。
悲しい時は青。
怒っている時は赤。

……何も感じなかった頃は透明な、色のない光。



幸せな今は金色の光。