楽園の姫君



ラナシュは作り笑いしかしない。

……否、笑えないのだ。


彼にとって世界なんて簡単に壊れるつまらないモノ。
自分の掌の中にある面白味の無いモノ。

退屈な日々の中でいつしか彼は
笑うことを忘れ、
作り笑いを覚え、
無感動な入れ物になっていた。