アナリアーナがこちらに来てから初めてまともに言葉を紡いだ。 『あなたのお名前は?』 青年はなぜか再びクスクスと笑い、そして答えた。 「ラナシュだよ、アナリアーナ」 『ラナシュさん、ね』 「敬称なんて付けなくていいんだよ、別に。 それより俺はアナリアーナに名前で呼んで欲しいな。」 言われたアナリアーナの顔が愛らしい笑顔に包まれる。 『うん!』