しばらく雑談をして、アタシはケンさんにお願いした。
アタシのお願いを聞いたケンさんは「先生に聞いてくる」と言って出て行ってしまった。
アタシのお願い。それは「ケンちゃんに会うこと」
ケンちゃんパパとのことがあってから、
アタシはどうやらあの日のことを思い出したり、
体験したりすると、軽いパニックに陥ってしまうらしい。
アタシの担当医師の湯久井(ユクイ)先生には、
「落ち着くまで会わすことはできない」と言われた。
だけどアタシは会いたい。
パニックになっちゃうかもしれないけど、
涙が止まらないかもしれないけど、
大好きな人に会いたい。
守ってくれた人に会いたいの…
しばらく待っていると、先生とケンさんが入ってきた。