自由帝の笑顔の嘆き

関所を抜けると広大な草原が広がっていた。

「おぉ!綺麗だなぁ!」

ロキが感嘆の声をあげる。
町の外に出るのは今回が初めてだから全てが新鮮に感じる。
そんなロキを見てリラは笑う。

「そんなに綺麗?」
「おぅ!世界は広いんだなぁ!」
「もしかして、町から出たこと無いの?」
「うん。今回が初めてだ」
「じゃぁ、景色を楽しみながら行きますか?」

リラがエアボードを発進させる。
エアボードが起こす風が草原の草をなびかせる。

「ねぇ!」

途中でリラが叫ぶ。

「何!?」
「先に川があるけどどうする!?」

前を見ると確かに川があった。
早い濁流の川で間違いなく流されるだろう。