「皆木さん、これが現状だがどうする?」
楓は動きを止めて周りを見た。
「悲惨な状況だな。だが、牙狼よ、恭耶が死んでない時点で戦いが終わってないぞ」
楓は俺が死ぬまでやらせるつもりらしい。
それは俺を信じているととってもいいが、過労死させる気だ。
ブラック企業体質もいいところだろ。
「恭耶、真祖と対峙するなら、覚醒は早いほうがいいだろう」
覚醒の仕方なんて知らないし、知ってるならさっさと教えてくれ。
「私は吸血鬼側の者だからな、逆の存在の覚醒方法は知らないんだ」
不親切すぎて訴えてやりたくなる。
「時間切れだ」
刹那に向けて、手刀が振り下ろされる。
飛ばされたのは俺の片腕だった。
「いいいいいいい!」
間に合った。
間に合ったが、それを回避させる方法は思いつかなかった。
片腕になりながら、刹那を抱いて廊下を這いずる。
「恭耶?」
刹那の声に返答する事すら出来ない。
涙を流しながら、羽をもがれた蝶のようにもがく。
死なないとは言いがたいが、相手が強すぎる。
逆境で強くなるとかいうのはあるが、あれは方法を知っていたり思いついたりするからこそである。
刹那を抱きしめる腕の力が強くなる。
楓は動きを止めて周りを見た。
「悲惨な状況だな。だが、牙狼よ、恭耶が死んでない時点で戦いが終わってないぞ」
楓は俺が死ぬまでやらせるつもりらしい。
それは俺を信じているととってもいいが、過労死させる気だ。
ブラック企業体質もいいところだろ。
「恭耶、真祖と対峙するなら、覚醒は早いほうがいいだろう」
覚醒の仕方なんて知らないし、知ってるならさっさと教えてくれ。
「私は吸血鬼側の者だからな、逆の存在の覚醒方法は知らないんだ」
不親切すぎて訴えてやりたくなる。
「時間切れだ」
刹那に向けて、手刀が振り下ろされる。
飛ばされたのは俺の片腕だった。
「いいいいいいい!」
間に合った。
間に合ったが、それを回避させる方法は思いつかなかった。
片腕になりながら、刹那を抱いて廊下を這いずる。
「恭耶?」
刹那の声に返答する事すら出来ない。
涙を流しながら、羽をもがれた蝶のようにもがく。
死なないとは言いがたいが、相手が強すぎる。
逆境で強くなるとかいうのはあるが、あれは方法を知っていたり思いついたりするからこそである。
刹那を抱きしめる腕の力が強くなる。

