林檎を剥くと、歪な形になった。
ウルもとい犬子は林檎を見ながら、何を思っているのか。
「恭耶恭耶」
「何だよ?」
「これ、恭耶みたい。2点」
「人に頼んで2点とは、普通なら神の如く褒め称えてもおかしくないぜ?」
「きゃはは、きもーい。そんな冗談が言えるのは小学生までだよねー。実際、恭耶は2点の人間だよね?」
記憶がないのに知識があるっていうのがな。
多分、一部分の記憶だけがなくなったのかもしれないな。
しかし、俺が2点の人間って、誰に仕込まれたのか。
ちなみに、『犬飼犬子』というネームはティーナさんがつけたらしい。
ネームセンスがあるのかないのかでいえば、ねえな。
まあ、センスがあるないにしろ、今はウルリカである必要はないからな。
「俺が2点って、誰から聞いたんだよ?」
「楓」
あいつ、余計な事を言いすぎだろう。
他の人達も、見舞いに来ているんだろうな。
最初の頃なんて誰が誰かも解らないし、犬子は落ち着いてなかったしな。
今は見たとおりだ。
その内、何かを思い出すかもしれねえな。
それが、不幸か幸福かは解らないけどな。
「じゃあ、2点の俺が林檎を頂く」
隙を狙って奪い取ったが、高速の腕によって林檎が奪い返された。
こういうところは、ヴァンパイアなんだよな。
「林檎を食べたい乙女心を傷つけるなんて外道だね」
「林檎を剥いた男心を傷つけるのは邪道だろ」
まあ、その内、自立できるようになるだろう。
俺は窓の外を見ながら考える。
家に帰ったら、小さな巨人が作った邪悪なパンが待っているのだろうと。
ウルもとい犬子は林檎を見ながら、何を思っているのか。
「恭耶恭耶」
「何だよ?」
「これ、恭耶みたい。2点」
「人に頼んで2点とは、普通なら神の如く褒め称えてもおかしくないぜ?」
「きゃはは、きもーい。そんな冗談が言えるのは小学生までだよねー。実際、恭耶は2点の人間だよね?」
記憶がないのに知識があるっていうのがな。
多分、一部分の記憶だけがなくなったのかもしれないな。
しかし、俺が2点の人間って、誰に仕込まれたのか。
ちなみに、『犬飼犬子』というネームはティーナさんがつけたらしい。
ネームセンスがあるのかないのかでいえば、ねえな。
まあ、センスがあるないにしろ、今はウルリカである必要はないからな。
「俺が2点って、誰から聞いたんだよ?」
「楓」
あいつ、余計な事を言いすぎだろう。
他の人達も、見舞いに来ているんだろうな。
最初の頃なんて誰が誰かも解らないし、犬子は落ち着いてなかったしな。
今は見たとおりだ。
その内、何かを思い出すかもしれねえな。
それが、不幸か幸福かは解らないけどな。
「じゃあ、2点の俺が林檎を頂く」
隙を狙って奪い取ったが、高速の腕によって林檎が奪い返された。
こういうところは、ヴァンパイアなんだよな。
「林檎を食べたい乙女心を傷つけるなんて外道だね」
「林檎を剥いた男心を傷つけるのは邪道だろ」
まあ、その内、自立できるようになるだろう。
俺は窓の外を見ながら考える。
家に帰ったら、小さな巨人が作った邪悪なパンが待っているのだろうと。

