やっぱりあたし的には
ちょっと寒いくらいの中で、布団を被ってゴロゴロっていうのが夏休みの粋な過ごし方だと思うんだ。



「未来~~?
夏休みだからっていつまでもダラダラしてんじゃないわよ~!」



一階からお母さんが叫ぶ。

…いいじゃん。夏休みなんだから。あー極楽極楽。

お母さんの声を無視して、あたしはベッドの上で寝返りをうった。



「未来!
聞こえてんの!?
さっさと起きなさい!もうお昼よ、だらしない!」


部屋の扉を勢い良く開けてズカズカと部屋に侵入して来たお母さんは、あたしのくるまっていた布団を剥ぎ取った。


「…いーじゃん、どーせ暇なんだし。ダラダラさせてよ。」

「あんた毎日ダラダラしてんじゃない!
ちょっと暇なら買い物でも行ってきてよ!!」


ガミガミと大音量の声は、まだ寝ぼけた頭には少々辛い。

うるさいなぁ…と思いながら再び寝返りを打とうとすると、ピッと音がして
この楽園を造り出していたクーラーの運転を止められた。