燕と石と、山の鳥

その際の問答の内容自体は最重要視される事ではないらしい。


「そんなとこだぁなぁ。チッようやっとまともな付き合いするようになったのかと思ったら随分とまぁ七面倒な事に首ィ突っ込みやがって」

そう言ってまた耳障りな舌打ちをする。
聞けば聞くだけ出てくるような話題だからそこそこに切り上げたんだろう。
それは多分一度に聞いた所でちゃんと理解すると言うのが困難な場合だ。


「人付き合いがどーのなんてあんたが言えんのか」

「テェメェが俺のなぁにを知ってるよこの糞ったれの鼻たれ小僧」


どんだけたれてんだ。
しかし事実俺はこの爺の事は殆ど知らない。
妙な私立図書館の主で、口が悪くて、機嫌も悪く、酒が嫌いで変人。
俺が知ってるのはそれぐらいだ。


「それェはそれだ。オイ小僧こぉの野郎。テメェなぁんもわかってねぇなぁえェオイ」

「なんだよ藪から棒に」


俺の返事をまったく聞いた様子もなくぶつぶつ文句を言っている。
唐突過ぎてなんのことだか見当が付かん。





















「テメェなんぞよりあの小生意気な妹の方がよっぽかもわかってるよまぁったくだ」