晩飯を済ませた後、俺は家を一人出た。
遠くで蛙の喧騒が聞こえて来て、相変わらず頬を撫でる風は湿気を帯びて生ぬるい。
最寄り駅に向かう線路の通った踏切を通ると、夜気の喧騒は一層騒がしくなって、そいつらが潜んでいるのだろう田んぼが広がっていた。
その田んぼの中に点在する民家の中に、目的の場所を認めると俺は再び歩き出す。
向かったのは現代から浮く大正の時代に建てられた木造の洋館だった。
私立『明星』図書館。
今よりずっと人が寄りつかなかった小学生時代に知り合った変人で、本人には口が裂けても言いたくないが俺が変に荒れることなく今に至る事の出来た原因の人物が館長兼司書をする図書館だ。
遠くで蛙の喧騒が聞こえて来て、相変わらず頬を撫でる風は湿気を帯びて生ぬるい。
最寄り駅に向かう線路の通った踏切を通ると、夜気の喧騒は一層騒がしくなって、そいつらが潜んでいるのだろう田んぼが広がっていた。
その田んぼの中に点在する民家の中に、目的の場所を認めると俺は再び歩き出す。
向かったのは現代から浮く大正の時代に建てられた木造の洋館だった。
私立『明星』図書館。
今よりずっと人が寄りつかなかった小学生時代に知り合った変人で、本人には口が裂けても言いたくないが俺が変に荒れることなく今に至る事の出来た原因の人物が館長兼司書をする図書館だ。


