燕と石と、山の鳥

俺が答えずにいても理人は別段気に留める風もなく「今日はなんの濡れ衣ー?」と勝手に一人合点している。


「…おい」

「あ、怒った?あははごめんごめん」

「いやそうじゃねぇ」

「え?なんだー顔恐いんだもんわかりにくいよ浅水ー」

理不尽だ。

「プレゼントは決まったか?」

「えー?なんのことー?」


俺のつぶやくような質問に理人は反射的にしらばっくれる。
こうなってからが長いからな。もうわかってるんだがどうも俺に言いたくないみたいだし。

俺としちゃ不安要素いっぱいだがおまえならと任せてやる気はないでもないぞ。

案の定自分の不利な方向に転がった話題を放棄して理人はヘラヘラ笑いながら話もそこそこに切り上げ前に向き直っていった。




今の時期はこの方法を使えばこいつの詮索から逃れられる。

にしても、プレゼントか…。