兄弟と思しき二人が出て来たパン屋へと向かう。
すれ違い様、その手にパン屋から貰ったらしいパンの耳を持った学ランの二人はあからさまにこっちを見ていた。まるで爬虫類のような目だが、能面付けてるチビと明らかに図体のでかい目付き悪ぃのがパン屋向かってたら目を向きたくもならぁな。
ドアベルを鳴らしながら店内に入ると、パンの香ばしい香りや砂糖の甘い香りの混ざったパン屋特有の香りが直ぐさま鼻先に現れる。
来店を告げたベルの音を聞き付けてレジに出て来た40代くらいの子持ちっぽいおばさんは俺達二人を見るなり営業スマイルの中で若干顔を引き攣らせた。
「作り物みたいですねぇ〜…」
どこか浮ついたような声に振り返ると、並べられたパンを間近で眺める芹緒の姿。
「や、作り物だろ」
自然物じゃねぇからな。
「あ、や、そういうことじゃなく、なんていうかですね。僕、家の方針でパンとかケーキとか、洋モノの嗜好品に関しては全く明るくないもんですから、なんだか食べ物って感じがしないというか…」
このご時世に全く珍しいもんではあるが、そう説明しながらパンを見る芹緒の話し調子もどこかふわふわして落ち着いた感じがない。
どうやらはしゃいでるようだ。
すれ違い様、その手にパン屋から貰ったらしいパンの耳を持った学ランの二人はあからさまにこっちを見ていた。まるで爬虫類のような目だが、能面付けてるチビと明らかに図体のでかい目付き悪ぃのがパン屋向かってたら目を向きたくもならぁな。
ドアベルを鳴らしながら店内に入ると、パンの香ばしい香りや砂糖の甘い香りの混ざったパン屋特有の香りが直ぐさま鼻先に現れる。
来店を告げたベルの音を聞き付けてレジに出て来た40代くらいの子持ちっぽいおばさんは俺達二人を見るなり営業スマイルの中で若干顔を引き攣らせた。
「作り物みたいですねぇ〜…」
どこか浮ついたような声に振り返ると、並べられたパンを間近で眺める芹緒の姿。
「や、作り物だろ」
自然物じゃねぇからな。
「あ、や、そういうことじゃなく、なんていうかですね。僕、家の方針でパンとかケーキとか、洋モノの嗜好品に関しては全く明るくないもんですから、なんだか食べ物って感じがしないというか…」
このご時世に全く珍しいもんではあるが、そう説明しながらパンを見る芹緒の話し調子もどこかふわふわして落ち着いた感じがない。
どうやらはしゃいでるようだ。


