帰宅してから飯を食って、ゴールデンタイムのバラエティー番組を二つ程見終わった頃に梨里子から部活終了のメールが来た。
「梨里子部活終わったって?」
出かける支度を始めた俺にお袋の声がかかる。
「おー、ちょっと行ってくるわ」
「はいはいお願いねー」
外はまだ微かに昼間の残暑を残していた。
電灯の少ない道をしばらく行く、
と、行く先に何か小さな陰がうごめいているのが見て取れた。
野良犬か……
そう思って通り過ぎようとすると、犬らしい唸り声に混ざって聞こえた声に思わず足を止めた。
「グルル……チカ…ヅクナ……アノ女、ハ、オレノ…モノ………」
よく見ると、それは犬の形すら成していない。
粘性の影のような体でその恨めしげな眼と黄ばんだ犬歯だけがよく見える。
やけに静まり返った辺りの温度が、酷く下がっていた。
「なんだよ…こいつ……」
「梨里子部活終わったって?」
出かける支度を始めた俺にお袋の声がかかる。
「おー、ちょっと行ってくるわ」
「はいはいお願いねー」
外はまだ微かに昼間の残暑を残していた。
電灯の少ない道をしばらく行く、
と、行く先に何か小さな陰がうごめいているのが見て取れた。
野良犬か……
そう思って通り過ぎようとすると、犬らしい唸り声に混ざって聞こえた声に思わず足を止めた。
「グルル……チカ…ヅクナ……アノ女、ハ、オレノ…モノ………」
よく見ると、それは犬の形すら成していない。
粘性の影のような体でその恨めしげな眼と黄ばんだ犬歯だけがよく見える。
やけに静まり返った辺りの温度が、酷く下がっていた。
「なんだよ…こいつ……」


