燕と石と、山の鳥

俺の事で出回ってる悪評は9割根拠がない。

全く、どんな噂が出回ってるのやら。



とりあえず…



「……………めんどくせ」

「はぁアブァアッッ!!!?」



元々悪い歯並びをぶっ壊す勢いで下からアッパーを食らわす。







芹緒が呟いた小さな感嘆の声は


「…なるほど」


俺には聞こえなかった。









俺がこの集団をほっといた理由はただ単にめんどくさかったからだ。

今こうして複数人を相手にしてたって全然苦しくない。

だいたい一発で倒れたから5、6発で辺りは静かになった。








「いやぁお強いんですね〜」

「ったく何してたんだよ…」


呑気な声で言う芹緒にそろそろ本気で呆れたい。



「いえいえ僕は特に何をしたってわけではないんですよ〜
ただ歩いていたらお声がかかりまして」

お面が物珍しかったのでしょうねぇーなどと言っているのを眺めていてふと俺も気になった。



「そういや、なんでお面なんだ?」

「あ、照れ屋なんです」




そうかよ。