まだ5歳で字がちゃんと書けない翔大の手紙は綺麗な字で代筆されていた。 『翔大はね、自分の病気のこと知らなくてね、いつ治るのが口癖だったの。』 翔大の病名を聞いたことなかった。 『翔大の病気って?』 『急性リンパ性白血病。俗に小児がんでね。毎日抗がん剤で苦しんでたけど治るって信じてたから…。』 翔大のお母さんは思い出したのか涙を浮かべた。 翔大はいつもニット帽かぶってたのは抗がん剤の副作用で毛が落ちたからか。 あんな小さな子が抗がん剤治療で苦しんでたなんて。