僕の記憶が消えていく


『お兄ちゃんちょっと来て。』


俺の手を引きどこかへ連れていこうとする。


『メイ、お母さんが心配するから家に電話しないと。』


『後で〜。』


俺の言葉を軽く交わし自分の行きたい所へ一目散に歩いてエレベーターに乗った。


着いた場所は小児病棟602号室。


『あっメイちゃん。』


そこには頭にニット帽をかぶって小さな腕に点滴の管がいくつかも繋がれている小さな男の子。