僕の記憶が消えていく


家に帰るといつもと変わらない瞬がいた。


『お母さん、今日診断結果聞きに言ったんでしょ。』


『あっうん。なんか血液検査したら炎症反応があったからしばらく薬飲んでほしいんだって。』


私は嘘をついた。


息子に真実をいうのはあまりにも残酷すぎる。


まだ高校生だから勉強だって部活だって…。


考えるだけで涙しそうになったがぐっと堪えた。