お母さんはそう言って、私の頭に手をまわし、引き寄せ撫でてくれた。 母のぬくもりを、初めて感じた気がした。 母の手のぬくもりは、優しさがたくさんこもっていた。 その母のぬくもりが、私に大切なものを気づかせてくれた。 ―― そういえば、なんであの時、葵唯の居場所が分かったの? 「なんでって…貴教くんが教えてくれたの。 きっと、そこにいるはずだから、って。」 貴教が…そっかあ…。 貴教が… なんか分かんないけど、私の心がドキドキしてた…。