母は、飢えているのだ。 夫からの愛情に、飢えているのだ。 以前は、その不安や怒りや悲しみが、私を殴ることで少しでも薄れるなら それでもいいと、思っていた。 ……けれど もう、限界だ。 しかし、逃げたいと思う時に決まって、親子はこうでなければならない、という「教え」を思い出す。 血のつながり 親子の絆 小学校の道徳の時間で習った、ソレが 逃げる道を探すたびに、母に対する罪悪感を生み、 私を、繋ぎとめる。