まず初めに、視界が真っ白になった。 やがて目の前にチカチカと光の粉が舞い、後頭部に走る鈍痛が、吐き気とともにやってくる。 床に膝をつくと、その足を踵でじりじりと踏まれた。 痛みに声が漏れそうになる。 汗が吹き出る。 見上げると、 テレビのリモコンを手にした母が、悦の入った表情でこちらを見下ろしていた。 光る、獣の目。 「死ね」 幾度となく聞いてきたその言葉が、胸を突き刺した。